n8nはノーコードで業務フローを自動化できる便利なツールですが、
導入にあたっては**「セキュリティ」と「データ保護」**の観点を見落とせません。
特に中小企業では、顧客情報・APIキー・外部連携データの管理に不安を感じることも多いはず。
本記事では、以下の観点でn8n導入前に確認すべきポイントを解説します:
• n8nで扱うデータの種類とリスク
• Cloud版と自前サーバーの違い
• セキュリティ設定と保護の基本対策
Contents
✅ Cloud版(公式提供)n8n Cloudのセキュリティ概要
公式が提供する「n8n Cloud」は、ドイツ拠点で運用されており
GDPR準拠・TLS暗号化・ワークスペース管理が標準で備わっています。
項目 | 内容 |
---|---|
データ保存場所 | EU(ドイツ)サーバー上 |
通信保護 | HTTPS(TLS)標準対応 |
アクセス制御 | チーム・ロール単位のアクセス制限可 |
永続データ | 有料プランでのみフロー保存が有効 |
ログ管理 | アクティビティログが閲覧可能(Pro以上) |
→ 初期段階では無料プランでもセキュリティは担保されていますが、
商用利用や社内データ連携では有料プラン(Pro以上)推奨です。
✅ 自前運用(Self-hosted)時の注意点
n8nを完全無料で使える「自前運用」では、セキュリティ設定がすべて自己責任になります。
🔐 最低限やるべき対策リスト
- VPSやローカル環境のファイアウォール設定
Secrets
機能でAPIキーやトークンを管理(Workflow内に直書きしない)- HTTPS化(Let’s Encrypt + nginxなどで対応)
- 管理画面へのBASIC認証/IP制限
→ WordPressの管理よりも“構築者スキル”が求められますが、
社内だけで閉じた自動化環境が作れるのは大きなメリットです。
✅ 企業導入で見落としがちなチェックポイント
項目 | 解説 |
---|---|
情報セキュリティ方針との整合 | 業務フローの監査ログを残せるか |
IP制限 | 特定の社内回線やVPNからのみ許可する設定 |
定期バックアップ | 自前運用の場合、万が一の復元手段を準備 |
ロール制御 | ワークフロー閲覧/実行の権限を分ける設計 |
✅ n8nのセキュリティまとめ
- Cloud版は「安全・簡単・やや高価」
- 自前運用は「無料・自由・管理が必要」
セキュリティ対策を怠ると、
API漏洩や個人情報流出など致命的なトラブルに直結します。
n8nは優秀な自動化ツールですが、導入前に
「何を自動化し、どの範囲のデータを扱うか」を明確にしてから活用しましょう。