n8n基礎

💰 n8n導入にかかる費用感を徹底比較|Cloudプランと自前運用どっちが得?

n8nのCloudプランと自前サーバー運用(セルフホスティング)のコスト・自由度を徹底比較。導入形態ごとのメリット・デメリット、向いている人の特徴、無料で始める方法(※自前運用のみ)、構築後の注意点までわかりやすく解説します。

「n8nって無料で使えるの?」「Cloudと自前、結局どっちがいいの?」

そんな悩みを抱える方に向けて、費用の違い・導入難易度・向いている人の特徴をまるごと整理しました。

🔍 n8nの導入方法は2パターン

👤 あなたはどっち?n8n導入タイプ早わかりチャート
チェック項目あてはまるなら…
まずはとにかく試してみたい✅ Cloud(公式)が向いています
技術にはあまり詳しくない✅ Cloudで始めるのが安心です
月額コストはできるだけ抑えたい✅ 自前サーバー運用がコスパ最強
GPTなどAIとの連携をたくさん使いたい✅ 自前構築が最適です

🔰 結論:まずはCloudで小さく試す → 慣れたら自前に移行が王道です。

※2025年6月時点、n8n公式クラウドには無料プランは提供されておらず、Starterプラン(月€20〜)が必要です(14日間の無料トライアルあり)。

🟦 パターン1|n8n Cloud(公式のクラウド提供)

項目内容
提供元n8n公式サイト
(クラウド型)
費用Starter プラン(€20〜/月(約3,300円〜))。
14日間の無料トライアルあり
特徴登録だけですぐ使える。
サーバー管理不要で安定稼働。
向いている人ノーコード初心者、とにかく試したい方。
インフラに詳しくない人

✅ Cloudプランの自動化|ビフォーアフターのイメージ

📌 Before
Gmail→Slack通知を試したいが、導入が面倒で放置している。
✅ After
Cloudプランで無料登録 → 10分で動作確認完了 → 当日中に業務へ導入

💡 無料枠「月200実行」は、1日6回程度の業務なら十分。
 週次レポートや社内通知、自動返信などに最適です。

🟩 パターン2|自前サーバーで運用(セルフホスティング)

項目内容
提供元自社のVPS:(自分専用のサーバ環境)
↑ConoHa・さくら・AWS等で契約する。
費用VPS料金:月1,000円程度
(契約期間やプラン内容により変動あり) 
※技術知識がない場合は外注・サポート費用が別途必要になる可能性があります。
特徴無制限に使えてコストが安い。
自由で柔軟なカスタマイズが可能。
向いている人技術に慣れた方、長期活用したい企業
AI連携を多用したい人にオススメ

✅ 自前サーバー運用|ビフォーアフターのイメージ

📌 Before
AI×ChatGPTの自動返信を大量に使いたいけど、n8nのCloud(有料プラン)では費用負担が重い。
✅ After
自前サーバーにn8nを設置 → 月額1,000円以下で制限なく運用できる。

💡 VPS例:ConoHa VPS(2GBプラン)=月968円(税込)
  (契約年数により価格が変動する)

 Node.jsやDockerの知識があれば構築可能です。

📌 導入ステップ(Cloudプラン|自前サーバーで構築)

✅ Cloudプラン導入のステップ

  1.  [公式サイト]からアカウントを作成。
  2.  ダッシュボードで最初のワークフローを作成。
  3.  テンプレートから簡単な例(例:Gmail通知 → Slack連携)を選び、動作確認。
  4.  成果が見えたら、有料プランの検討・規模拡張へ。

✅ 自前サーバー導入のステップ

  1.  ConoHaやさくら等でVPSを契約。
  2.  Node.js、Dockerのセットアップ。
  3.  n8nを公式ドキュメントに従ってインストール。
  4.  ベーシック認証・SSL化でセキュリティ対策。
  5.  社内ユーザーへのテスト導入 → 本格運用へ。

👉 詳細ステップは:[n8n導入準備まとめ]

💼 自動化の事例|Cloudプラン

現場状況

営業マネージャー + 営業担当者 計3人の小規模チーム。

顧客からの問い合わせはGoogleフォーム経由で届き、担当者が毎日内容を確認。重要なものはSlackに手作業で転記してチームに即時共有。さらに、案件化しそうな問い合わせはExcel(またはGoogle Sheets)に「顧客情報・問い合わせ内容・納期」などを手入力し、進捗管理をしている。

また、毎週月曜の営業会議では、各担当者が1週間分の営業対応履歴(訪問結果・次回アクション・宿題項目など)をスプレッドシートにまとめ、マネージャーに提出するルール。

外回りの後に帰社してから履歴を手入力するのは手間が大きく、詳細が残せなかったり、入力の粒度が人によってバラついて管理しづらい状態になっている。

発生している課題

✅ 営業進捗の手作業記録・報告作成。

✅ 帰社後の入力が手間で履歴が不完全、属人的な報告に頼る状況。

✅ ヒューマンエラーによる漏れ・ダブり・報告遅延。

n8n導入による効果(Cloudプラン)

✅ Googleフォーム回答をn8nが自動検知し、重要度に応じてSlackに即通知

✅ 営業担当が外出先からスマホでAPI連携サービス(例:Googleフォーム、Airtable等)に入力→ n8nがChatGPTで要約をかけて、Google Sheetsに進捗データを自動更新

✅ 毎週の進捗データはn8nが自動集計し、マネージャーにレポートメールを送信。

ここでの「外出先からの入力」は、営業がわざわざ帰社後に手入力しなくても、スマホやタブレットから即登録できる環境(Googleフォームやモバイルアプリなど)をAPI連携で用意するイメージです。

ノーコードで導入可能、営業チーム内だけで運用・調整できる。
月200実行(Cloudの無料枠内)でも、営業現場の日常運用には十分。

✅ 本格運用・実行数増加時は有料プラン検討を。

🏢 自動化の事例|自前サーバーで構築(技術チームあり)

現場状況

会社規模:営業チーム+技術チームの計13人(営業10人・技術3人)

営業体制:法人向けソリューション営業。担当者は日々外回り、夕方に帰社し進捗更新。

運用体制:✅ 営業部門:問い合わせ対応、提案進捗、顧客管理を担当

     ✅ 技術サポート部門:営業を支えるデータ基盤・ツール管理を担当

発生している課題

✅ 大量データを扱うため、既存ツールの無料枠に限界

  • ChatGPT API連携の問い合わせ分類・提案書作成補助など、高頻度のAI実行が必要。
  • ZapierやCloudの有料枠を超えると、月額コストが急増。

✅ 技術チームは独自ワークフローを試したいが、制限が多い

  • 標準ツールでは分岐・ループ・条件分岐の柔軟な設定が難しい。
  • 技術チームがAPIを活用して実験・改善を繰り返せる環境がない。

✅ 営業の進捗管理が属人的で、マネージャー視点で全体が見えない

  • 営業担当がスプレッドシートに個別入力。粒度がバラバラ、統一されず集計困難。
  • 外出先からの報告がリアルタイムで集約されない。

n8n自前サーバー導入後

✅ VPS(例:ConoHa VPS 2GBプラン/月968円)にn8nを設置

  • 実行回数・タスク数は無制限。AI APIの高頻度連携も余裕。
  • Node.js・Dockerの知識がある技術チームが構築・運用を担当。

✅ ChatGPT API+Whisper連携の営業支援を自動化

  • 問い合わせ内容の自動分類・優先度付けをChatGPTで実施。
  • 顧客打ち合わせ音声をWhisperで文字起こし、要約生成して顧客管理ツールに記録。

✅ 営業進捗データをリアルタイム集約・可視化

  • 外出先からモバイルで簡易進捗を入力 → n8nが自動整形しスプレッドシートに統合。
  • 毎週の営業会議用に、自動で進捗集計・傾向分析レポートを生成。

✅ 柔軟な独自ワークフローを技術チームが継続開発可能

  • 分岐・条件・多段処理など高度な自動化を自由に設計。
  • 営業現場の要望に即応し、カスタマイズ性の高い環境を維持。

💡 費用・導入イメージ

  • VPS費用:約1,000円/月
  • n8n本体:無料(オープンソース)
  • 技術チームの工数:初期構築&保守に月数時間

✅ ZapierやCloudの有料プランを大きく下回るランニングコスト。
✅ 大量実行・複雑処理・AI連携の高速試行が可能。

⚠️技術知識がない場合は外注・サポート費用が別途必要になる可能性があります。

🟨 あなたに合う導入プランまとめ

Cloudと自前は実行できる自動化の範囲は大部分同じですが、
自由度・カスタマイズ性は自前運用の方が高くなります。

構築する自動化の実行回数・タスク数に応じた費用面の違い
技術スキルの必要性で判断するのが良いでしょう。

🔰はじめての場合は、気軽に試すことができる「Cloudプラン」がオススメです。

項目Cloudプラン(公式クラウド版)サーバー運用(セルフホスティング)
実行回数・タスク数無料枠:月200回
有料:約3,300円(20ユーロ)〜
※1ユーロ=約165円換算
(2025年5月時点。為替相場により変動します)
無制限
(VPS料金:月1,000円程度発生)
↑料金プランや契約期間により変動
※技術知識がない場合は外注・サポート費用が別途必要になる可能性があります。
AI (API連携)実行数に応じて追加課金の懸念高頻度での利用・試行OK
コストパフォーマンス最強
※プランや契約期間により変動
技術スキルの必要性ほぼ不要(非エンジニアOK)Docker・Node.js・セキュリティ対策知識・サーバー管理知識が必要
カスタマイズ自由度標準機能範囲内技術チーム次第で高度な連携・独自開発が可能
向いている組織小規模事業者・非エンジニアチーム技術チームありの中小〜大規模組織、AI活用型

❓ よくある質問(FAQ)

Q1. Cloudの無料枠はどれくらい実用的?

A. 月200実行は、1日6回程度の業務に使えます。  

週次通知・簡単な自動返信なら十分に対応可能!
AI連携や複雑処理は有料プラン・自前構築が安心です。

Q2. 自前サーバーの保守コストは?

A. VPS代(月1,000円くらい)とエラー発生時の技術対応のコストが発生

技術知識がない場合は外注・サポート費用が別途必要になる可能性があるので技術力に自信がない場合はCloudが安全です。

Q3. Zapierとの併用はアリ?

A. 大アリです!Zapierは単純フロー、n8nは複雑フローやAI活用向き。  

⚠️Zapierの無料プランは単一Zap(トリガー→アクション)・月100タスク限定。
 n8nは自前なら無制限だが、クラウドは有料(20ユーロ〜)。
 AI連携(例:ChatGPT)はツール側でなくAPI側の課金がかかる。

Zapierとn8nの比較記事はこちら👇

🔄 Zapierとn8nの違いを徹底比較|違い・おすすめポイント・選び方ガイド 毎日のように発生する定型作業をなんとか自動化したい。でもZapierとn8n、どっちを選べばいいか分からない…。 そんな悩みを抱...

⚠️ 注意点:n8n本体は無料でもAPIの利用料に注意

n8nで外部サービスと連携する場合、以下のようなAPI利用料がかかる場合があります。

サービス利用コスト例
OpenAI(ChatGPT)月$5〜(従量課金)
Whisper(音声文字起こし)分単位の課金
Slack/Google Sheets/Notion無料枠あり(一部制限あり)

💡 まずは1業務・1ツールでの自動化から始めれば、コスト・リスクは最小にできます。

📊簡易版| Zapierとの違い(詳細は比較記事へ)

Zapierと比較すると、n8nは複雑な処理やAI連携に強く、コスパも◎です。

項目Zapiern8n(Cloud/自前)
無料枠月100タスク月200実行(Cloud) or 無制限(自前)
操作性UI重視で簡単やや学習必要だが柔軟
処理の自由度シンプルなZapが得意条件分岐・ループ・GPT連携もOK

👉 比較記事:Zapierとn8nの違いを徹底比較

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